平成エンタメ研究所

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VIVANT~日本のスパイドラマの限界? AIとハッキング頼みで肉体を行使しない主人公たち

『VIVANT』を見ていて気づいたことがある。

 世界を舞台にしたスパイ・エンタテインメントなのだが、主人公の乃木憂介(堺雅人)や野崎守(阿部寛)は肉体を行使して戦わないのだ。

 007シリーズのジェイムス・ボンドや韓国ドラマ『エージェント・キム』のキム部長は肉体をギリギリまで酷使して戦うのに、野木や野崎がおこなうのは言葉の駆け引きや心理戦。

 唯一、肉体で戦っているのはドラム(富栄ドラム)。

 で、野木たちが言葉や心理戦以外に何を使って戦うかというと──

・AI

・ハッキング

 AIハヤト(声・高山みなみ)とハッキングの天才ブルー・ウォーカーこと太田梨步(花沼すみれ)が物語を動かしていると言っても過言ではない。

 逆に言えば、AIハヤトとブルー・ウォーカーがいなければ乃木はほとんど無力。恫喝や偽の拷問するくらいしか能がない。

 だから、この作品、ブルー・ウォーカーやドラムが魅力的なのだ。

 乃木や野崎がかろうじて主人公でいられるのは堺雅人さんや阿部寛さんが演じているから。

 日本のスパイドラマの限界?

 これからのスパイドラマが〝AI〟や〝ハッカー〟の力を借りなければ成り立たないのは確かだろう。

 古くは『24』シリーズの情報分析官クロエ・オブライエン。

 これで思い出したが、『24』のジャック・バウアーはクロエのハッキングや情報をもとにともかく動きまわっていた。ジャック・バウアーと比較すると、乃木と野崎がいかに肉体を使って戦ってないか明白だろう。

 新庄浩太郎(竜星涼)を捕まえる時も戦ったのはタイ警察で乃木は見ているだけだった。シーズン1ではスーパーコンピューターの施設に侵入したり、いろいろアクションがあったのだが……。

 肉体を行使しない主人公。

 これが日本のドラマの限界なのか?

 それとも新しさとして敢えて狙っているのか?

 明日(9/13)の放送では別班員奪還作戦がおこなわれるようだが、肉体を行使した戦いを見てみたい。